屋久島からのメッセージMessage from Yakushima
浦田 功
株式会社 稲穂工房 一級建築士設計事務所 管理建築士
1954年、岩手県生まれ。1982年、大手ゼネコン退職後屋久島へ移住、会社経営にあたる。2003年、屋久島大屋根の会設立、屋久島の森林資源活用を唱え、島内外にて運動を展開。特に地杉の魅力を地域資源の代表格と位置づけ、島内での積極的な活用を呼びかける。2014年、木材だけでなく、屋久島の地域資源「人・モノ・金」を循環させるこれからの将来的な重要性を感じ、島内の企業50社に呼びかけ、一般社団法人 地域資源活用センターを立上げ現在に至る。好きな言葉は、「念ずれば花ひらく」
所属
一般社団法人 地域資源活用センター代表理事
屋久島大屋根の会事務局長
株式会社 稲留生コン取締役
屋久島が変われば、日本社会が変わるなんて少し大袈裟でしょうか。私達の暮す屋久島は、森の深さと、人と自然の関わりが色濃く残る歴史と文化があります。
ちょっと前まで、日本人の生活は森とのつながりが強く、人々の暮らしの中に根付いていました。近年の経済発展と共に産業構造が大きく変化し、大量消費・大量生産の世の中になってしまった結果、モノの大切さや自然と共にあった生業までもがばったりと途絶えてしまいました。このような背景には、「自然と人」を大切にしない、お金とモノが優先される社会構造になったからだと思うのです。
屋久島から日本の社会のあり方を変えていくような、「自然と人に優しい」地域社会をつくる取り組みが大切ではないでしょうか。これからは、「森林環境と共に生きる」仕組みづくりを土台に据えて、50年・100年先まで持続できる島の産業モデルを、築くことが重要であると思います。古き良き、日本の森林文化を蘇らせるような心づもりで、これからの産業のあり方を考え、実践したいと想うのであります。お届けする「YAKUITA」の魅力が、島の空気のように、触れる人の心に深く染み込んでくれると信じてやみません。