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屋久島の森

屋久島からのメッセージMessage from Yakushima

鎌田 道隆

奈良大学名誉教授

屋久島で生まれ育ち、京都・奈良で歴史や文化を学び、大学では学生たちとともに「実験歴史学」を提唱して、身近な庶民の歴史の研究に強い関心をよせてきました。現在は屋久島に戻り、消え入りなくなってしまいそうな屋久島の歴史の発掘に夢中です。

屋久島は世界自然遺産に登録されていますが、屋久島の自然は島民の祈りや信仰と深くかかわりあってきていると思います。自然と人間との共生というよりは、自然の一部として人が生きてきたといえるでしょう。とくに木材が豊富なので、住宅は床も壁も皆木材ですし、人家や集落を守ってくれるのも、生け垣や集落の森です。海岸部から里そして山へと緑一色の植物に覆われ、冬でも草木が枯れることはありません。雨も多いので、雑草の成長も早く、小さな住宅まわりの畑も植え付けた野菜がすぐに雑草に負けてしまいそうです。離島ですし経済的には、昔のような農林魚業だけでは暮らしは難しく、貧しく贅沢な暮らしはできませんが、自然に恵まれているので、こころは豊かな感じです。人間が知恵や技術を振りかざして環境を痛めつけるのではなく、本当の人間て何なんだろうとか、人は地球にたいして何ができるのだろうかとか、何かを考えたり学んだりできる島ではないかと思います。皆さんも一度屋久島を覗いてみませんか。ステキな島の一つです。

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